毎日新聞に権座の記事掲載

2010年09月03日

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伝統伝える人材カギ=科学環境部・関東晋慈
 <エコ・エコ>


 琵琶湖(滋賀県)の東岸に隣接する小さな湖に「権座(ごんざ)」と呼ばれる1・5ヘクタールの田畑が浮かぶ。7月末、稲は元気に伸び、魚が悠々と水路を泳いでいた。

 権座は、半漁半農の先人が水中に石を積み上げて作った。同じような田畑は次々と消滅。全国唯一の湖中の田畑となり、06年に国の「重要文化的景観」に選ばれた。だが、農業経営は厳しい。約50戸の周辺農家は事実上、会社勤めで収入を得たため、田畑の手入れが届かず雑草で荒れた。

 08年、地元農家の東(あずま)房男さん(64)らは危機感を募らせ、市民団体「権座・水郷を守り育てる会」(近江八幡市)を発足させた。栽培が難しく半世紀も眠っていた幻の酒米の復元に、地元の酒造会社の協力を得て成功。農業に必要な人材は携帯メールという現代風の手法で勧誘した。

 「権座」と命名された日本酒は美味と物珍しさで人気を博した。コンサートも企画。市内外から10~60代が集い始め、地域は活性化した。2年で大半の農家は生計を立て直した。農薬を減らし、生き物が戻ってきた。

 10月に名古屋市で締約国会議が開かれる生物多様性条約の条文には目的達成のため、教育や啓発の重要性を訴えている。自然再生論に詳しい竹下賢・関西大教授は「若者が愛用する携帯メールなど、時代に対応した発想が優れている。自然の魅力やそれを守ってきた地域の伝統を伝える人が鍵だ」と話す。

 今、地域を離れる若者はいない。東さんは6月、農作業中に心筋梗塞(こうそく)で倒れたが、そばにいた仲間に助けられた。原風景を守るために培われた人のつながりが救った命。「故郷を元気にしたい気持ちは一層強くなった」と笑顔を見せた。

毎日新聞 2010年9月3日 東京朝刊


タグ :毎日新聞

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滋賀県近江八幡市にある西の湖には、先人から大切に引き継がれてきた農耕文化と豊かな水辺生態系が調和した、湖国の原風景と言うべき文化的景観があります。私たち「権座・水郷を守り育てる会」は、その象徴的存在である「権座(=唯一現存する、舟でしか行けない湖上の田んぼ)」での様々な取り組みを通じて、この美しい癒しの空間を次世代に引き継ぐため、平成20年10月に発足しました。
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