歳時記紹介「白王の水行」
「白(しら)王(おう)の水(みず)行(ぎょう)」(伝統民俗行事) を紹介します。
①概要:滋賀県近江八幡市白王町白部地区(旧白部)に残る民俗行事。
「寒ごおり」ともいう(大辞泉によると:寒垢離「かんごり」寒中に冷水を浴びて心身を清め、神仏に祈願すること。)
地元では「行者さんの水かぶり」と言っている。
②内容:毎年1月6日(小寒)(寒の入り)午後5時頃に、町内の一番東に位置する決まった二軒から、それぞれの講(新講・旧講)より選ばれた行者役二名が、頭に渋紙(現在ビニール)をさらしの鉢巻で締め付け、上半身裸で、褌に腰蓑、草鞋の装束で、各家から玄関先に出された(約40杯)バケツの水を、頭から被りながら町内西の端の家まで「南無行者不動」と唱えながら、走り貫く行事。
また、行者役の出発に先立って、おみず取り(先達)といって、それぞれの講より出た先走り役が、バケツの水を少し取る役を受けて「この水取ったり、これも取ったり」と唱えながら走る。これは、寒い為にバケツの中に張った氷などを取り除く行為が今も残っているといわれている。さらに各家は水を入れたバケツの中に南天の葉を入れる、これは難を転じるとか不浄を清める。さらには毒などの危険なものは入っていない事を示す慣わしと言われている。参考までに、最終の西の二軒はそれぞれの行者を受け入れ、お風呂に入って冷えきった体を徐々に暖め休息する。
また、夜8時からは講ごとのその年の宿(順番に正月宿として当番が回る)の家に集合し、般若心経を唱えてお勤めをした後ぜんざいなどでもてなしを受ける。
③歴史[380年以前から]:勘定帳(寒行の行われた直後に、講の会員が水を出した各家々を訪問して、施米〈ほどこしまい〉、米一升を受けて、その講の一年間の経費に充てる、毎年勘定帳に記載している)の最古の年号が江戸時代寛永(1624~1643)という記述があるものが見つかっており、かなり古くから行われていたと思われる。
関連記事